アオコ除去装置実証試験

 

                                                     (株)創造科学研究所

 

1.        試験の目的

  権現堂調節池に於いて、夏期に発生するアオコを物理的に、効率的に除去するシステムについて、小規模プラントを設置し、その有効性を実証した。

 

2.        試験場所

埼玉県杉戸土木事務所権現堂調節池管理事務所の協力を得て、行幸排水機場内の一部を借用しプラントを設置した。

 

3.        試験設備と試験の実施状況

3-1        実証プラントの概要

 

 

 

-1 プラント及びフローの概要

 

3-2        試験用原水の採集

アオコは水面に浮上層(鮮やかな緑色を呈し、太陽光を反射し、一見緑色のペンキを浮かせた様な状況)を形成している。そこで、ポンプの呑口の高さを4cmにし、アオコ浮上層を吸引し試験用タンクに貯留した。試験用タンク内のアオコ濃度は1,000 2,000mg/L、透視度は1.07.0cmであった。

 

3-3        ロータリースクリーン

ロータリースクリーンは図2に示す様にステンレス鋼(SUS-304)で構成された円筒(φ600mmL1, 800mm)にステンレス製のメッシュ(#325)を内側に張り付け回転可能な構造とし、一方の呑口から反対側に原水が通り抜ける間にメッシュを透過する処理水と、吐水口から吐出される分離濃縮された高濃度アオコに2分する装置である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-2  ロータリースクリーン

 

原水中のアオコは既に数十〜数百個(1個は2.510μm)の群体を形成して居り、此のアオコの群体がメッシュに引っ掛かり更に次第に大きく凝集し、水流に押し出されスクリーン先端部より吐き出される。また、スクリーンがアオコやその他の物質により目詰まりを起こすので、1回の試験毎にディーゼルコンプレッサーによる圧縮空気で外側から内側に向けて吹き飛ばし、スクリーンの透過性を確保した。

 

 

 

-3 アオコ群体の凝集模式図

 

3-4        透過水及び分離・濃縮されたアオコ

原水、透過水、アオコはその色彩、濃度、粘性が目視で明らかに異なり、エンジンオイル〜濃いクリームスープ状の粘性の高まりを示した。

 

 

 

-4 透過水の状況と分離濃縮

 

 

 

 

-5 濃縮されたアオコの状況

 

4.        試験結果

 

原水濃度1901900mg/Lの範囲で試験を行った結果(表-1、図-6)、原水濃度が800mg/L以上ある場合には、アオコ除去率は80%以上を確保できた。また、原水濃度が600mg/L以上の場合は除去率70%以上、一方、原水濃度が400mg/L以下の場合は、除去率50%未満と低い値を示した。このため、原水(処理すべき水面の浮上層)を、いかに効率よく高濃度で確保するかということが、全体の処理効率を高める上での大きなポイントとなる。


 

 


-1 各原水濃度における固液分離

 

 

 

 

 


 

-6 原水濃度によるアオコ除去率の影響

 

 

また、透視度の改善度への影響は原水のアオコを90%以上除去しても透視度の改善度は3cm程度しか得られなかった(図-7)。

 

尚、透視度の改善度を下記のように定義する。


 

透視度改善度=(透過水の透視度-原水の透視度)cm

 

-7 アオコ除去による透視度の改善度